新年度!!あなたはどんな1年にする?

さあ、2020年度が始まりました!

世界はコロナ一色で、学校現場もまさに渦中。来週に控えた入学式・始業式、そして学級開きを無事に行えるかどうか。五里霧中の新年度の幕開けとなってしまいましたね。

インフラ(※)がすでに整備されている学校(日本ではほとんどないと思いますが)であれば、オンラインでのなんらかの方法での学級開きなども考えられたでしょうが、残念ながら現在の日本はICT後進国です。そうした学級開きが行われることはまだもう少し先になるかもしれません。

※インフラストラクチャの略・・・生活を支える基盤となる設備、ここではネットワーク環境やそれに付随する機器設備を指す

ちなみに学級開きに限らず、オンライン授業というものについての考え方は別記事にて考察しておりますので、参考にしてください。

目次

今年の自分の方針を決めましょう!価値を提供できる先生に!

1年を始めるにあたり、今年はどんな先生に自分がなりたいか少なからず方針などはお持ちでしょうか。先生として人を育てる、未来を担う子ども達と関わる存在として、自分自身の未来についても何か方向性を持っておきたいですね。

また、子どもをはじめ、多くの人と関わる職業ですから、その特性を活かしてたくさんの人に価値を提供できる存在になってもらえたら素晴らしいなと思います。

野暮な注釈を入れますが、教師として、公務員としての範疇においてです

職員室でのあなたの価値

では、あなたが提供できる価値とは一体どんなものがあるのでしょうか。実際、子ども達の中にも「僕って何の役に立つのだろう」「私なんて誰からも必要とされていない」と悩む子どもは少なくありません。

そんなとき、先生であるあなたはあなた自身の価値についてどんな考えをもっていますか?

子ども達をよりよく育てる

教師であれば1番にこういったワードが出てきそうな気がしますが、これはこれで価値あることだとしてもちょっと表面的すぎる気がします。なぜなら子ども達を育てるということはそもそも教師の職務なわけで、あなた個人の提供できる価値としてはちょっと抽象的すぎるのです。

だからこそ、「子どもを育てる」上で、あなたが発揮できる価値に目を向けてもらいたいのです。

そのため、まず第一に、対子どもではなく、社会人としてのあなたの振る舞いにおいて、あなたの価値を考えてみませんか?

社会人としてのあなたのオフィスといえば、そう、「職員室」です。

職員室であなたがあなたらしく、どんな価値を周りの職員達に提供できるでしょうか。

職員室でどのような価値を提供できるかを考えたら、その価値をキーワードにあなたは同僚の先生方とまたは事務職員や調理師、管理員(校務員)などと円滑にチームとして立ち回れるようになるはずです。

教室でのあなたの価値

では次に、教室でのあなたの価値について考えてみたいと思います。

ここで何故、職員室での価値を先に述べてから教室での価値、即ち子どもとの関わりにおける価値に話をつないだかについて少し触れたいと思います。

教師であれば1番に「子どもを育てる」ことが第一の仕事だと思うかもしれません。

しかし、私が思うに「子どもを育てる」ことしか頭にない教師ははっきり言って大した先生ではないと思います。

子どもを育てる」ということは自分自身の姿を通して子どもに未来を見せるということです。あまり深掘りすると話が大きく脱線してしまうのですが、子どもにとってはこれから学ぶこと、学ぶ意味、人との関わり、織りなす世界、その全てが彼らにとっての未来です。

そしてそれらを学ぶ大きな役割を果たしてくれるのが先生であり、担任であるのです。だからこそ、多くの先生は子ども達の見本になるようにと襟を正して頑張るのでしょう。

ですが、それこそが私にはちょっと滑稽に映るのです。少し突っ込んだ言い方をすると子ども達の見本になるようにと意識して行われる行動の大半が「ええかっこしい」に過ぎないのではないでしょうか。普段からできることをあなたはしていますか?先生だから、子どもの前だから、そのときだけ演じていませんか?

多くの先生が「先生の前だけ良い子にしてもダメ」といった叱り方をしたことはないでしょうか。

多くの先生が「子どもの前だけ良い大人を演じている」ことはありませんか?

少し強引に話を戻しますが、私はここで「身も心も24時間良い大人になれ」と言いたいわけではありません。

もちろん教師である以上、それを目指すことは大切ですが、所詮は人間です。綺麗事ばかりではないこともわかっているはずですし、そこは素直に受け止めましょう。

どんな存在だってひとりの人間」「どんな人だって完璧は難しい」この事実を先生が先生自身に認めてあげられなくて誰が子ども達の多様性を認められるのでしょうか。恥ずかしい自分、到らない自分をひた隠しにして取り繕う先生を見て、子ども達は一体何を学ぶのでしょうか。

職員室での自分の価値を見つけられない先生が子ども達に「自信を持って」「仲間と力を合わせて」「クラスの中であなたにもあなたの存在価値があるのよ」って、説得力がないですよね。

私はそこにこそ教室であなたが提供できる価値のヒントがあると考えています。先生であるあなたは子ども達の先駆けとして、職員室で価値を発揮できる存在になりましょう。また、職員室で作れた良いつながりは、教室での子どもとの関わりにおいてもプラスに働きますよ。あなたの人のつながりそのままあなたの価値なのです。

学校の先生としての価値(地域・家庭に対して)

学校の先生として、あなたは同僚や子ども達だけでなく、保護者や地域の方々と接する機会も少なくないはずです。

最近では「開かれた学校」とか、「家庭と地域と学校の三位一体」とか、様々な表現で子どもを育てていくにあたり、家庭や地域のいわゆる学校外の大人達との連携を深めようということが言われています。

また、担任をしていると保護者とが子どもの向こうに見え隠れし、懇談や家庭訪問はもちろん、様々な場面で保護者と関わる機会があります。

では、その保護者との関わり(地域との関わりも含む)において、先生としての価値とは何でしょうか。あなたは、保護者から見たら「私の子どもの担任」という存在ですが、それは一体どのような存在なのでしょうか。

逆に、あなたから見たら保護者は「受け持っている子の親」に過ぎないかもしれません。捉え方によっては「私が(自分のクラスの)子どもを育てるにあたって、気を遣わなければならない存在」という見方をしている先生も決して少なくないのではないでしょうか。逆に「あなた(保護者)の子どもを預かってわたしが代わりに育てている」というような育児代行のような意識に近い感覚を持ってしまってはいませんか?

「保護者との関わりってなんか億劫、電話1本するのもちょっと気が・・・」

30人のクラスの中でたった1人の保護者ささいな存在かもしれません。1年間の間に何回会うかもしれていますし、下手すると1回も会わない保護者もいるでしょう。

しかし、保護者にとっては多くの場合、担任の先生という存在はそんなにシンプルで小さな存在ではないはずです。

さらには、保護者自身が悩みを抱えている場合も少なくありません。そうしたときに力になれる存在が先生であり、声をかけられるのが先生なのです。

ここでは決して業務の範疇を逸脱して献身しろということではありません、あくまで担任の範疇で構わないのです。心遣いの話です。

自分自身の価値を考える

子どもに「私にはどんな価値があるのか」を考えさせるとき(問われて答えるときも同じ)、悩んでいる子どもは「私にできること」を必死で考え、見つけられず、悩むことが多いようです。実際、私たち大人だってそれは同じでしょう。

自分自身に「私が世界の人達の役に立って、必要とされるためにどんなことができるか」と考えて、答えがすんなりでる人はほとんどいないでしょう。つい、周りにとっての自分の価値を考えるとき、周りに比べて自分が何か特別なことができるかどうかを考えてしまいがちです。

自分が周囲と比較して突出しているかどうか、絶対的な尺度での価値を求めてしまうのです。

しかし、人はつながりの中で生きています

あなたの価値は世界から何番目というような絶対的尺度は誰も求めていませんし、実際に求めることもできません。

大切なことはあなたのつながりの中であなたはどういった存在であるか。です。

あなたと関わる相手にとってあなたがどういった存在であるか。これを意識することが大切ではないでしょうか。

子ども達にとって担任の先生は目の前にいるあなた、ただ一人

それは何も特別なことでなくても良いんです。世界一ギターが上手いこともすごいことですし、貴重なことです。しかし、あなたと相手とのつながりにおいて、あなたが世界一のギタリストかどうかは実はどうでもいいことなんです。

あなたといて楽しいか、あなたと話して安心できるか、あなたの存在で元気になれるか。そんな存在にあなた自身がなることで、子ども達も自ずとそうした存在であろうとし、相手にとっての「生きる力」になるんじゃないかなと私は考えています。

学習指導要領で最も重要なキーワード「生きる力」を私の個人的な解釈では「自分自身が生き抜く力」に留まらず、自分自身が周囲の人にとって、目の前の相手にとっての「生きる力」へと成長することが最大のゴールではないかと思います。

あなたは周りの「生きる力」になれていますか?そしてそうなることが自分にとっての「生きる力」になっていればいいなと願う今日この頃です。

学級開きのこの時期、具体的にどんな一日目を過ごそうかと思いを巡らせている先生が多いことと思いますが、人事異動があったこの機会に、是非、教職員として、学校という社会の中で自分自身がどのような存在になれるのかを今一度考えて欲しいなと思います。

先日、日本中の人々に笑いを通して「生きる力」を与え続け、死してなお「生きる力」を伝播させていった偉大なコメディアンを思いながら。

価値の見いだし方、職員室・教室・保護者等への具体的な関わり方については教師塾EduKで詳しく触れています。是非、ご参加ください!

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